2006年6月16日(金)00:15

EUは憲法の将来を2008年末までに決定する意向

ブリュッセル(AP)

EUは、議論を呼んでいる憲法条約の将来について、決定を2008年末に延ばす意向である。EU各国首脳は木曜日ブリュッセルで開かれた首脳会議でこのタイムスケジュールで合意した。EU議長を務めるオーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は合意を「前進」と評し、「私たちは今いわゆる熟考の期間を終える」と語った。EUは昨年オランダとフランスの国民投票による批准否決を受けて、この熟考の期間を設けていた。

現行のニース条約では不十分なため、憲法条約かそれに類するものが必要だとの認識で加盟国は一致している、とシュッセル首相は述べた。首相はまた、改革の計画に「欠かせない重要な施策」は「2008年の下半期に実施されることになる」と語った。2007年上半期のドイツ議長国による報告書がその基礎となるという。シュッセル首相によれば、報告書は議論の現状を分析し、「今後の行方」を調べる内容になるという。

これより前、議長国オーストリアの広報官は、このプロセスの終わりに憲法が成立するか、それとも従来のEU条約が改定されることになるのかは分からないと述べていた。「私たちは2008年末までに法的基盤を確立する必要がある」。しかしEU各国首脳の協議では引き続き「憲法批准プロセス」が議論されていた、と広報官は語った。

これと並行する形で具体的なプロジェクトの一覧表が作成されることになるという。一例として広報官は若者の失業対策やシェンゲン協定の新規加盟国への拡大を挙げた。だがこうしたプロジェクトはすでに以前から計画されている。

欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長は、加盟国が「熟考の期間から具体的なプロジェクトの段階へ移行することに同意した」ことを歓迎すると表明した。憲法の議論が重要であっても、「私たちは憲法問題が解決するまで無策でいるわけにはいかない」と委員長は述べた。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は二日間の首脳会議の開幕に当たって、EUは「人々にEUの必要性を理解させる」必要があると述べていた。これに関し議長のシュッセル首相は、憲法に「新しい要素」を付け加えるよう提案した。たとえばEUの社会モデルの意義に関する説明などが考えられるとシュッセル首相は語った。

だがシュッセル首相は一方で、仕切り直しが成功するのはフランスとオランダが「自らの提案を発表する」場合に限られると述べた。しかし議長筋によれば、両国は首脳会議の席で、批准を問う国民投票を再度実施するか否かについては言及しなかったという。すでに憲法条約を批准したのはドイツを含む15ヶ国で、フィンランドは今年下半期の議長国任期中に批准を行なう予定である。チェコ、デンマーク、アイルランド、ポルトガルは国民投票の計画を延期している。

原題:EU will Zukunft der Verfassung bis Ende 2008 klaeren




ホームへ戻る